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【書評】「僕たちはもう帰りたい」(著者:さわぐちけいすけ)。「もう帰りたい」を原動力に!

どんな仕事をしていても、ストレスはつきもの。

例えば人間関係。

理不尽な上司、気の合わない同期、扱いが難しい部下。いろんな人がいます。

また、社風・文化に悩まされることも。

紙文化が根付いてITリテラシーがない環境や、効率化することに否定的な雰囲気。

皆さんの会社はどうですか?

今回は仕事でのストレスを抱えるすべての人に読んでもらいたい本を紹介します!

★この記事はこういった方におすすめ★
  • 毎日の仕事に疲れている。
  • いつも帰りたい。
  • 帰れない問題の解決につながる情報が欲しい。

 

今回ご紹介するのは、さわぐちけいすけさん作の「僕たちはもう帰りたい」です。 

以前からTwitterでフォローさせていただき、ツイートされた漫画を拝見していました。そこで本書の一部が掲載されており、興味を持って購入したのが本書を読むきっかけでした。

誰もが何かにストレスを感じている。もう帰りたいという日々を過ごしているそんなあなたを、クスッと笑わせてくれたり、スカっとさせてくれたり、そして今の頑張っているあなたを優しく包み込んでくれる本です。

 

本書のあらすじ

あらすじは、本書作者のさわぐちけいすけさんのページより文章を拝借します。

「利益出せ」「納期を守れ」「早よ帰れ」…ゼッタイムリ! Twitterフォロワー20万人突破の漫画家・さわぐちけいすけが描く、あの行き場のない気持ちの「取扱説明書」。なぜ無意味な残業に付き合わされる? 「板挟み」状態をどうすればいい? 上司の無茶振りにどうやって対処する?帰りたいと願う理由も…年齢も…性別も…立場も全く異なる…そんな人々のお話。

僕たちはもう帰りたい|さわぐちけいすけ|cakes(ケイクス)

 本書は第一章~七章まであり、どれも読んでいて共感できる物語になっています。

 次からそれぞれの章の内容の概要と感想をご紹介します。(※ネタバレは避けています。

第一章 「お付き合い残業」がつらくて、もう帰りたい

定時までに自分の仕事をしっかり終えて、いつでも帰れる状況。でも周りはみんな忙しそうに働いている。そんな空気を読んでしまって「お付き合い残業」をしてしまっている人は少なくないと思います。

この章では、効率的かつ正確でしっかり結果を出して定時までに仕事を終えているのに、早く帰ることを周りから非難される男性社員が登場します。

ではどうすれば帰れるのか。

一言でいうと、残業をしている人たちが帰れるようにすればいいんですよね。

みんな帰れるようになれば、残業をしない会社作りにつながります。
言うのは簡単ですが、実行するのは難しいです。なぜなら自分ではなく、他の社員を変えるのですから。
しかしこの章では、

  • 帰るためには何をすればいいのか
  • 周りの人たちはどう考えているのか
  • 自分が本当に行うべき行動は何か

というヒントをもらうことができます。

第二章 「板挟み」だらけで、もう帰りたい

新卒からベテランまで誰もが経験する「板挟み」

この章では、社内の上司とクライアントとの板挟みに苦しむ女性社員が登場します。

上司Aと上司B、社内と社外、時には同期同士での板挟みも起こります。板挟みは意見や考えの食い違いで起きるものですが、意見や考えが違う両者の間で調節するのってとても難しいですよね。

お互い一切妥協する気がなかったら手詰まりですし、意見に一貫性がなかったりすると、ただ振り回されて疲れるだけです。僕も仕事で部署間の調節を行っていて、振り回されたときのつらさを思い出しました。

八方塞がりに見えますが、この章でははっとした解決のヒントを教えてくれました。自分の場合、板挟みになっていた時は「もう本人同士で話し合ってくれよ!」と投げ出したくなりましたが、その「本人同士で話し合わせる」というのも解決策としては十分だったと気づくことができました。(実際この方法ですぐに解決しました。)

なぜ板挟みになってしまっているのかを整理し、そこからどうするのかが大切ですよね。

本書ではもっとわかりやすく書いてあるので、ぜひ読んで確認してください!

第三章 「無茶ぶり上司」に振り回されて、もう帰りたい

皆さんのところにもきっと「無茶ぶり上司」がいるでしょう。

コストをまったくかけずに結果を出せと言ってきたり、無駄なMTGや報告会で作業時間を削るくせに、残業するなと言ってきたり。「ではそうするためにどうすればいいか」を考えるという肝心なところは、都合良くこちら側に投げるというパターンがほとんどだと思います。

この章では、「残業時間を削れ。でも結果は出せ」という無茶ぶり上司が登場します。

この章を読んで、何をしなければいけないかというより、何を選択しなければいけないかが重要だと感じました。

無茶ぶりに無茶して応える必要なんてない!!

第四章 会社が「非効率」すぎて、もう帰りたい

これだけIT化が進み、仕事をする上で使える無料で便利なツールが、現代ではたくさんあります。それなのに、いまだに紙にこだわったり、ツールを使う気がない会社、結構多いです。

とにかく害なのは、自分が使えないからその方法は採用しないというもの。だからどれだけ改善案を提案しても、これが理由ですべて取り越し苦労となる。そして改善する気すらなくなっていくという悪循環を招きます。

この章を読んでいて、まさに取り越し苦労となりやる気がなくなった自分が思い返されました。同時に、解決方法は一つではない。自分で作ることができるということも教えてもらえました。

社員には社員の選択肢がたくさんあるのです。

第五章 「妻でもない母でもない私」になりたくて、もう帰りたい

「共働きがあたりまえ」といわれるほど、今の日本は給与・賃金が十分ではありません。女性が社会進出できるように環境が整えられてきているのはいい傾向ですが、だからといって働いている人の負担が軽減されるわけではありません。

この章では、共働きで苦しむ一人娘を持つ母親が登場します。

仕事では子供の急な病気でバタバタとし、家に帰ったら家事育児のことで旦那ともめる。自分一人だけが頑張っているようで、突如むなしくなる。誰もこのつらさなんてわかってくれないとやけになってしまうこともありますよね。

この章を読んで、解決のヒントは日常の思わぬところに転がっているということがわかりました。忙しない日々を送っていると、その日々を振り返ることができないと思います。しかしそういう時こそ、落ち着いて客観視してみるのもいいかもしれませんね。

妻側視点での物語ですが、こちらは旦那さん・男性側にもぜひ読んでもらいたい章です!

第六章 自分の中の「優先順位」がわからなくて、もう帰りたい

定時の概念を無視する会社、ありますよね。

あと1時間で定時なのに、残り1時間では終わらないタスクを振ってくる上司がいたり、いろいろ頼みごとをされて気が付いたらすごいタスク量になっていたり。(定時過ぎているのに結構なタスクを振ってくる人もいますね…。)

この章では、タスクをたくさん振られて帰れない男性社員が登場します。

僕もいろいろ頼み事を受けてしまう人間なので、この男性社員の状況と少しリンクしました。

この章を読んで感じたのは、帰れない原因は周りだけでなく自分にもあるということです。帰れなくなっている時の自分の行動を振り返ることが大切だと思いました。(自分にも突き刺さる内容でした。)

第七章 職場にも家にも「居場所」がなくて、もう帰れない

仕事が大好きで真面目に取り組んできた。でもどこか職場に居場所がないように感じる。そして家庭もあまりうまくいってなくて、家に帰っても居場所がない。そういう悩みを抱えている方もいるでしょう。

この章では、まさにそういった帰れない年配サラリーマンが登場します。

この章を読んで感じたのは、「帰れない」の反対は「帰りたい」だということ。ここだけ読んでもよくわからないと思いますが、この章を最後まで読むと、その意味の大切さに気が付くでしょう。

最後の章のタイトルが「帰りたい」ではなく「帰れない」となっていたのは、すべての章の物語を代表したメッセージが隠されていたからだと気づき、感動しました。

「もう帰りたい」は原動力

「もう帰りたい」と言葉だけ見ると、とてもネガティブに感じてしまいます。しかし、「帰るためにこの問題を何とかしてやる!」という方向に持っていければ、とてもポジティブな意味に感じられますよね。

本書は、社会への不満・愚痴をただ共有するものでもなく、問題への解決策を唯一のものとして提示されるものでもない。

「もう帰りたい」という気持ちをポジティブにとらえ、これから自分が取るべき行動を考えるきっかけを作ってくれるものだと感じました。

たくさんの「もう帰りたい」という思いを抱える皆さんにとって、本書が何かを変えるきっかけになると確信しています!

著者「さわぐちけいすけ」さん情報

今回ご紹介した著者「さわぐちけいすけさん」は、漫画家として活躍されています。本書のように社会や家庭で悩みを抱える人たちを題材にした作品を多く出されており、SNSでは20万人以上からイイねされるほど人気な方です!

そんな素敵な作品を描かれるさわぐちけいすけさんのSNS・サイト情報を以下に記載しますので、ぜひ立ち寄ってください!

twitter.com

swgck.com